11「女性セブン」小学館 4月28日 Vol.17(5/12・5/19号)

スペシャル企画3・11 東日本大震災が変えたもの被災した人も、しなかった人も気づいた“喪失”
――震災による“日本人の心の変化”とは?」
避難生活の中で生まれた苦しみの共有と絆
福島に住む僧侶「震災後に増えた自殺も二次災害のひとつ」

福島第一原発から45km離れた福島県三春町に暮らす、作家で禅宗の僧侶である玄侑宗久さん(55)は、震災後1か月ほどの間にすでに自殺の葬式を2件ほど担当したそうだ。小さい町なので、いつもよりもあきらかに多い。

「心が不安定であった人は、余震が続いて大地が揺れるということに耐えられない不安を持ったのでしょう。仕事もなくなって、生活のめどもつかない。放射能にも怯えなければならないのですから」

いい知れぬ不安を話せる人もいない。自らの抱える孤独もまた震災後に浮き彫りになったのだろう。当然のことだが、それは震災による死者には数えられない。しかし玄侑さんはこれも二次災害ではないかという。

一方では、須賀川市において野菜農家の64才の男性が自ら命を断ち、飯舘村では102才の高齢者が計画避難の迷惑にならないように自殺したことが大きく報道された。人生に絶望し、あるいは自分のせいで家族が逃げられない事態を恐れた心のうちを考えると息苦しくなる。

世間には知らされないけれども、地震と無関係とはいえない無数の死もまた現実に存在している。そして、これからもそのような死が増え続けるのかもしれない。玄侑さんはいう。

「いまはどさくさに紛れてわからない不安が、今後だんだんはっきりと見えてくるでしょう。自分が置かれた立場の救いようのなさが見えてきたときこそが問題なのです。

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