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『わたしを超えて いのちの 往復書簡』(1)

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【更新日:7月30日】 【No.1】投稿者:高橋様、42才、千葉県の男性

私をこえて いのちの 往復書簡を読んで。
「がん」という、死を前提とした病気を経験された一人の人間の、心の動きがよくわかる作品でした。
人間がいかに自我に執着して生きているかが、対談によって克明に描き出されていたと思います。現代の日本人の多くの方々は自分の病気ばかりでなく、親族や周囲の人間の死に関してでさえ執着をみせその別れ際を淡々と過ごすことができなくなり、いろいろな医療器具、薬品、はたまた健康食品等に頼ってなんとか生きたい。生きていてほしいとがんばり努力します。私は医師をしているので、そういった患者様、その家族に多く出会いますが、何年生きてもまだ足りない。なんだかこのまま逝ってしまうのはおかしい。そういった気持ちで過ごされている方が多いと思います。
岸本葉子さんは、「がん」と向き合い「うつ」にもなりながらこの一瞬一瞬を大切に生きる方法を玄侑宗久さんとの往復書簡で学びながら、その恐怖を克服する安心立命の方法を学んだのではないでしょうか。
私自身、将来の見えないこの日本社会において、どう不安を克服して生きていくか理知ではとらえることのできない「わたし」と「いのち」の狭間で深く悩んだ時でした。
前後際断することによって「いま」を大切にできる方法や「閉じた系、開かれた系」、ヘリゲルの弓などの逸話が「生きていくための智慧」として書かれており、できるかぎり理知的であろうと努力してつまづいた自分の心を癒す一冊でした。

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