半僧坊

 三月の初め、浜松市奥山の方広寺に出かけてきた。道場の先輩である安永祖堂老師の晋(しん)山(さん)式(しき)(住職就任のお披露目の儀式)に随喜するためである。安永老師は天龍僧堂を出たあと、国際禅堂の師(し)家(け)あるい […]

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マレーシアでの「同期」

 先日、年に一度だけの休暇旅行で夫婦でマレーシアに行ってきた。震災後しばらくは海外に興味が向かず、たいてい国内の離島や温泉が多かったのだが、なぜか急に行ってみたくなったのである。  べつに、マハティール氏が九十二歳で首相 […]

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僧衣と運転

 昨年九月十六日、浄土真宗本願寺派に属する四十代の僧侶が、「僧衣で運転」していて福井県警に反則切符を切られた。「運転に支障がある衣服」を禁じた福井県規則への違反だというのだが、その後の県警の説明によれば、問題なのは僧衣そ […]

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さようなら

 日本人の挨拶はとても味わい深いと思う。「こんにちは」では昨日までと違う今日が期待され、今日こそ心機一転また出直すことが促される。仏教的には「寂滅現前」で、昨日までの自分を寂滅させ、新たに生まれ直すのである。震災後は特に […]

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金と銀

 その昔、金と銀とは対等で別な価値と考えられていた。貨幣に用いた基準も、西日本では銀本位、東日本では金本位だった。  両者を測れる共通の物差しはなく、金の価値観で見れば銀はくすんでいるが、銀にすれば金の光り方など嫌らしい […]

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壁と三和土の魅力

 建築用語には古来の和語もあれば、外来の言葉もある。代表的なものとしては、「塀」や「柵」や「門」などが中国伝来の漢語。どうやら外との仕切りについての日本人の興味は、中国人に比べると些か希薄だったように思える。そういえば「 […]

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「陰翳」の功徳

 陰翳といえば、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を抜きにしては語れない。これは昭和八年に書かれ、前後半に分けて発表されたのだが、今読んでも、というより、今こそ非常に面白く読める文明論である。  建築や庭、器、食事、歌舞伎や能、そ […]

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池さらい

 人「さらい」という場合は「攫い」と書くが、池「さらい」だと「浚い」になる。誠に日本語は厄介だが、先日その池浚いを久しぶりにしたので報告したい。  うちのお寺には何百年前からあるのかよくわからない池があるのだが、永年のう […]

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ホトトギスとウグイス

 裏山でホトトギスが、庭でウグイスが鳴いている。ウグイスはもちろん梅の季節から初々しく鳴きだし、今では臈長けた声で「ホー法華経」どころかもっと複雑な鳴き方もする。時折、自分の声に酔っているのではないかと思うことさえあり、 […]

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しゃがむ土偶

 夕焼け空にカラスが飛ぶのを見て、ふと「七つの子」を憶いだした。「カラス、なぜ鳴くの? カラスは山に、可愛い七つの子があるからよ」(野口雨情作詞)というあの曲である。  そしてこれまた自然に、大学時代に中国から留学してい […]

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忖度と談合

 うちの地方では法事などの墓参の際に、お墓で「だんご」を食べる習慣がある。最近は普通のお菓子だったりもするが、「だんご」が出てくると必ず誰かが子供に向かって言う。「このだんご食べると、頭がよくなるんだぞ」。  そこで私は […]

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国土について

 国土について考えてみた。最近は特に北海道などで、外国人が土地を買うケースが増えているという。外国に住む人でも所有できる土地がはたして国土と呼べるのか……、そんな疑問からである。  昔の日本人はその土地ごとに神さまがいて […]

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