書籍情報
          著者
              玄侑宗久・有田秀穂
                        出版社
            大和書房
                          出版社URL
              
                        発売日
            
              2005年5月17日            
                          価格
              
                1600円+税
                ※価格は刊行時のものです。
              
                        ISBN
            9784479391197
                        ページ
            255 ページ
          内容
          『セロトニン欠乏脳』(NHK生活人新書)を著した有田秀穂博士(東邦大学医学部生理学教授)は、脳にあるセロトニン神経が心を安定させクリアにする働きに注目。セロトニン神経を活性化することで現代人のキレやすさ、うつ状態になりやすさを改善できると提言している。そして禅や瞑想といった古来の身体技法、精神修養技法が、素晴らしくセロトニン神経を活性化させるのではないか、という仮説をたてた。
今回の対談は、脳科学と禅のクロスオーバーする視点からスタート。サイエンス・哲学に造詣の深い玄侑先生の導きで、瞑想、坐禅といった修行が脳にもたらす効果など、禅の科学的分析から、心の問題、精神の問題、身体論にまで話が及んでいる。
有田秀穂氏(東邦大学医学部生理学教授)
《主な著書》
『セロトニン欠乏脳 キレる脳・鬱の脳をきたえ直す』 日本放送出版協会、『ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法 スポーツからスピーチまで』(高橋玄朴氏との共著)地湧社、『<うつ・キレる>を治すトレーニング』宝島社等。脳内のセロトニン神経が心を安定させクリアにする働きに注目し、執筆、講演活動を行なっている。セロトニン神経を活性化すると言われる座禅の呼吸法にも着目している。
本文から
          ●有田秀穂「体の動きだけに集中するということと、言語機能をシャットアウトするという両方をやらなくちゃいけないという、その指摘はものすごく重要だと思う」
●玄侑宗久「自分の能力をどれほど発揮できるかというのは、結局、『どれだけ自分をおだてられるか』にかかっていると思うんです」
                                  ●玄侑宗久「自分の能力をどれほど発揮できるかというのは、結局、『どれだけ自分をおだてられるか』にかかっていると思うんです」
もくじ
          - まえがき
 - 俎の上の坐禅 玄侑宗久
 - 第一章 「気」とは何か
 - 気と精神
- 科学の進歩の中で「気」から「心」が抜け落ちた
 - 中国思想の中の「精」と「気」と「神」
 - 「気」とは何か
 
 - 気の流れには、ロジカル脳が邪魔になる
- 大脳皮質を通過しない情報
 - 言語脳を休ませると見えてくるもの
 - ロジカル脳とそれ以前の脳
 
 
- 気と精神
 - 第二章 夢を見るとはどういうことか
 - 夢と睡眠
- 心と体がつながるところ
 - ユングの夢、フロイトの夢
 - 夢を見ている時の状態とは?
 - レム睡眠とノンレム睡眠
 - 金縛りとは?
 - 脳が眠っているのに体が動く不思議
 
 - 夢の内容の不思議
- 夢の材料はどこから来るのか
 - 「一○○匹目のサル」と情報伝達の不思議
 
 
- 夢と睡眠
 - 第三章 心とはどこにあるのか?
 - 心の三原則
- 釈尊の修行と「心の三原色」
 - 両極端な体験をすることで中道がわかる
 - 「私」とは揺らぐ存在である
 
 - セロトニンは脳にどのような作用をしているのか
- セロトニン神経はオーケストラの指揮者
 - セロトニンは脳のあらゆる場所に影響を与えている
 - 脳幹部こそが大切
 - 脳のコントロール機能
 
 - 心は脳がつくるのか?
- 心は内臓にも現われる?
 - 心は体全体で一つ
 - 脳は変わる
 - 年をとるほど高くなる知能がある?
 
 
- 心の三原則
 - 第四章 呼吸法はなぜ脳に効果があるか
 - 呼吸法と脳の関係
 - 坐禅をした時の脳の状態
 - 大脳皮質をコントロールして爽快な脳波を出す
 - 瞑想とは言語的な機能を休ませること
 - 呼吸法は古い脳への入り口
 - お経を唱えるのがいい理由
- お経を唱える時に出るアルファ波
 - お経は音に意味がある
 - 「南無阿弥陀仏」と「南無妙法蓮華経」の気分の違い
 
 - 呼吸法と瞑想
- 体のいうことを聞く呼吸法
 - お線香一本分の坐禅の意味
 
 - 瞑想と頭の使い方
- 言語脳を休ませつつ意識は集中する
 - 四段階ある意識
 - イメージをリアルに感じ取る瞑想
 - イチローは瞑想の達人の域に達している?
 
 
- 第五章 禅的生活とセロトニンの関係
 - 意識と無意識
 - 脳の中の陰陽
 - 脳の構造の不思議
 - セロトニンと脳の働きの関係
- ノルアドレナリンとパニック障害
 - うつとクスリの関係
 - パニック障害に対しての漢方医の対応
 - 呼吸を変えることで心も変わる
 - 呼吸法で自律神経を変えるアプローチ
 - 現代の息を詰める生活が大問題
 - 体と脳のつながり
 - 快とドーパミン神経
 
 - 煩悩とセロトニン
- 煩悩はもともとは生命力
 - セロトニンはお寺のようなもの
 - 現代の生活は脳にとって悪い?
 - 予測のつかないストレスが悪い
 
 - 「悟り」とセロトニンの関係
- 「悟り」の意識とは?
 - すべてが流せる状態とは?
 - 記憶や思想をバカにする
 
 
- 第六章 日常生活で活かせる「禅的生活」
 - 修行道場での生活が体にいい理由
- 道場での食事
 - 自分で何でもする意味
 - 動物性タンパク質を取らない理由
 
 - 自分をおだてる効果
- 「自力」と「他力」
 - 現在完了形でいうと効果がある
 - どこまで自分をおだてられるか
 
 - 禅的生活が体にも脳にもいい秘密
- 体のいろいろなところを使う
 - 歩行と読書が体にいい
 - 意識のもっていき方を変えれば「神通力」が出せる
 - どういう生き方もありという流儀
 
 - 心穏やかに暮らす法
- どうすれば「平常心」を保てるか
 - 新しいことを習慣化することで人は変わる
 - 何かの行をして身体化することで腹に落ちる
 
 
- 修行道場での生活が体にいい理由
 - あとがき
 - 有田秀穂
 
