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病気平癒、修羅克服への祈り
(エッセイ・ 2021/6/1 )

 すこし大袈裟かもしれないが、西洋と東洋の人間観の一番の違いは、アイデンティティ(自己同一性)を認めるかどうかではないかと思う。イデアを奉ずる西洋では多面多臂が登場すると必ずや悪者、化物であるのに対し、東洋では阿修羅や千 […]

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観音さまとお地蔵さんの日本仏教
(エッセイ・ 2020/8/27 )

 ご承知のように、日本にはいろいろな仏教宗派がある。一九三九年に「宗教団体法」が成立したが、それまでに「伝統仏教」と見做されていたのがいわゆる「十三宗五十六派」である。それぞれの特徴や違いについてはこの本の中で学んでいた […]

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日本の仏教と十三宗派
(書籍・ 2020/8/18 )

新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの人たちが「諸行無常」を感じていますが、飛鳥時代から現代に至るまで、天災や疫病、戦災に見舞われたとき、仏教は常に人々に寄り添い、心の拠り所となってきました。本誌は無常であることを生きる […]

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虻蜂取らず
(エッセイ・ 2020/8/16 )

 昔、先輩の和尚さんに言われたことがある。「忙しいのは仕方ないにしても、忙しそうにしてはダメだ」と。僧侶の最大の仕事は人に向き合って安らぎを感じてもらうことだから、という理由だったと思う。  それが長年の指針になるにつれ […]

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あはれから無常への9年 危機を憶いださねばならない理由
(エッセイ・ 2020/2/12 )

 震災から9年が経とうとする今、あらためて震災以後の時間を振り返ってみたい。思えばこの火山列島に住む人々は、長い歴史のなかで多くの災害に遭ってきた。『方丈記』にも感じることだが、災害の多い境遇だからこそ培われた日本人なら […]

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さすらいの「縁起」
(エッセイ・ 2020/1/1 )

 どうやらここで私に期待されている役割は、本来の「縁起」の意味を提示することらしい。つまり「良い」とか「悪い」とか、挙げ句は「担」がれたりもする縁起だが、そもそも縁起とはいったい何なのか、そのことをご期待に沿うべく書いて […]

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悟りと未悟
(エッセイ・ 2019/11/28 )

 珍しいテーマの本である。いわゆる「悟り」についての学問的研究書。なるほど仏教はインドの昔から、いわゆる覚醒体験を重視してきた(BuddhaはBudh〖目覚める〗の過去分詞)。特に私の所属する臨済宗はその念入りな承認(印 […]

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虫愛づる科学者
(エッセイ・ 2019/11/5 )

 昔から、格好いい方だと思ってきた。最初はテレビに出ていた白衣姿やその美貌の影響が大きかったかもしれない。「生命科学」という素敵な言葉も、中村先生の肩書きで初めて知ったような気がする。  最初にお目にかかったのは二〇〇六 […]

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使わせてもらってます
(エッセイ・ 2019/4/14 )

 中国と日本の関係は特別である。大まかに言えば、十五、六世紀までの日本は、中国からさまざまな文化・文物を取り入れ、独自のアレンジを加えながら日本化してきた。文字はその代表的なもので、仮名というアレンジ作品は産みだしたもの […]

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マレーシアでの「同期」
(エッセイ・ 2019/3/31 )

 先日、年に一度だけの休暇旅行で夫婦でマレーシアに行ってきた。震災後しばらくは海外に興味が向かず、たいてい国内の離島や温泉が多かったのだが、なぜか急に行ってみたくなったのである。  べつに、マハティール氏が九十二歳で首相 […]

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偶像ではないけれど
(エッセイ・ 2019/3/1 )

 仏教はけっして偶像を崇拝する宗教ではない。それにしては、じつに多種多様の仏像を造形したものだが、冷静に考えれば、だからこそそれは偶像ではないのである。  『広辞苑』によれば、偶像とは「伝統的または絶対的な権威として崇拝 […]

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「両行」とこころのレジリエンス
(エッセイ・ 2018/12/5 )

 この国の諺(ことわざ)を眺めると、対立する意味合いの諺が必ずと言っていいほどあることに気づく。たとえば「善は急げ」と「急がば廻れ」、「嘘も方便」と「嘘つきは泥棒の始まり」、「一石二鳥」と「虻蜂取らず」、「大は小を兼ねる […]

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