人生後半、はじめまして

(2019/2/25 週刊現代ブックレビュー掲載)

 岸本さんの文章の魅力は、理路整然として、しかもスキップするような独特のリズムにある。しかしそのスキップのために、彼女がこれほど努力しているとは知らなかった。筋肉や骨はむろんのこと、歯や眼の衰えにも対処し、努力を惜しまな […]

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「レールの向こう」への覚悟

(2015/08/31 波掲載)

 沖縄に出かけるたびに大城先生にお目にかかる。初めは二〇〇四年か〇三年か、巫女(ユタ)や神女(のろ)さんを御紹介いただき、『リーラ 神の庭の遊戯』という作品を膨らますことができた。モノレールにほど近いご自宅にもお邪魔し、 […]

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「龍宮」の威力

(2013/10/28 本の旅人 11月号掲載)

 俳句について、何ほどのことを知っているわけでもない私だが、それが落語と同じように、日本人への信頼を前提にした表現形式であることはわかる。たとえば芭蕉の「古池や~」の句でも、蛙が池に飛び込んだことはわかるが、「それがどう […]

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信じる人にも、信じない人にも

(2009/12/16 季刊scripta掲載)

 この本のタイトルを見れば、たいていの禅僧は振り向くだろう。「精神の自由」とは、禅の中心テーマでもあるからだ。そして本を手にとって目次を見ると、簡潔な章立てだけが書かれている。曰く「宗教なしですませられるだろうか」「神は […]

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油断した仏像たち

(2009/04/20 写真集「極楽園」掲載)

 仏師は、あらかじめ木の中に眠っている仏の姿を彫りだすのだと云われる。ならばその仏像を撮る場合にはどうなのか。  三好和義氏の写真を見つめていると、これまでの仏像写真にはあまり感じなかった心の躍動を感じる。仏師がある姿を […]

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白隠禪画墨蹟

(2009/03/23 「白隠禪画墨蹟」案内掲載)

 芳澤先生は、白隠病である。この病気は白癬菌とは関係ないが、周囲にも感染する。  どうやら私もうつってしまったようだ。初めてお目にかかったとき、一緒に風呂にはいり、同じ部屋で寝たのが決定的だった。  禅師の墨蹟は、芳澤先 […]

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最初の読者から ガンと自然への遠大な試み

(2008/02/01 一冊の本掲載)

 田口ランディさんという方は、きっといろんな人や世界と親しくなる能力に恵まれているのだろう。彼女の書く小説では、いつも作者と登場人物が親しく、分身のようだと感じることも多い。  そんな彼女がガンそのものをテーマに描くとい […]

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どこまでも平行線の宿命 切ない求道の物語「ジロリの女」

(2007/10/20 週刊KODOMO新聞掲載)

主人公の40代の男、ゴロー三船は、知的で気の強い女性を「ジロリの女」と呼ぶ。そういうタイプの女性は、心を見抜くように三船の顔を冷たくジロリと見るからだ。誰にでも軽口やお世辞を言う調子のいい男、三船は、苦手な「ジロリの女」 […]

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クリエイティヴな死の稽古が生の質を変える

(2007/05/29 週刊朝日掲載)

 我々の経験する世界は、じつは「心」や「無意識」によって支えられ、成り立っている。それは仏教的常識というより、今や脳科学的な知見と云ってもいいだろう。脳内にインストールされているソフトに見合った体験しか、我々はしないので […]

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心のそよかぜ

(2006/06/15 掲載)

 土橋先生に初めてお目にかかったのは、ラジオの対談のためだった。長年、ガンを含む外科治療の第一線で活躍されていた先生が手術の現場を離れ、東京と大阪でガンについての相談室を開設されてから、まだそれほどは経っていなかったと思 […]

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病魔に冒された科学者が辿り着いた「神なき信仰」

(2005/10/21 週刊ポスト 味わい本発見 この分野はこれを読め!掲載)

 生命科学の先端を歩んでらした柳澤さんの原因不明の病苦については、以前から聞き及んでいた。  ようやく食器が洗えるようになった柳澤さんがいつかテレビに映っており、苦しさを訴えるのではなく、「食器の積み方を楽しむ」と仰って […]

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禅体験の、新しい古典!

(2005/09/03 玄侑宗久公式サイト書き下ろし掲載)

 なんという真摯な魂の記録、そしてなんという禅の本質的な表現であることだろう。それがこの『隻手の音なき声』(リース・グレーニング著、上田真而子訳、筑摩書房)を読みながら、何度も何度も私の胸に波のように押し寄せた思いであっ […]

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