芳澤先生は、白隠病である。この病気は白癬菌とは関係ないが、周囲にも感染する。
どうやら私もうつってしまったようだ。初めてお目にかかったとき、一緒に風呂にはいり、同じ部屋で寝たのが決定的だった。
禅師の墨蹟は、芳澤先生によってどんどん発掘されている。その集大成が今回の『白隠禅画墨蹟』と云えるだろう。数が増えることによって、禅師の墨蹟は新たな視点で見なくてはいけなくなった。40年間毎日描いたとしても14600枚しか描けないのに、それが先生の見通しどおり一万枚あるとすれば、これはもう描くことが菩薩の「行」だったと見るしかあるまい。そのうち千点以上を収めたこの本は、一冊まるごと衆生済度である。
業病も「行」と紙一重。白隠病で死ぬ覚悟の芳澤先生が、いま何度目かの白隠旋風を起こす。
この本を開けば、確実に感染(うつ)ります!
2009/03/23 「白隠禪画墨蹟」案内
書籍情報
題名
白隠禪画墨蹟
著者・共著者
芳澤勝弘
出版社
二玄社
出版社URL
発売日
2009-03-23
価格
普及版55,000円、特装版100,000円(税別)※価格は刊行時のものです。
ISBN
普及版9784544013931/特装版9784544013948
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