書籍情報
内容
見方を変える、生きるための「禅」。己を磨き、「いま・ここ」を目指す禅。
禅から日常を見つめ直したときに浮かびあがるものとは。
禅に関わりの深い7人がさまざまな角度から、現代社会と禅のあり方を語る珠玉の講演録。7人の講演者(奈良康明、佐々木宏幹、青山俊董、高崎直道、山折哲雄、上田紀行、玄侑宗久)による講演録です。
●演題「般若波羅密多」が収録されています。
もくじ
- はじめに 奈良康明
- 序章
- 天地いっぱいに生きる……青山俊董
- 仏の命を生老病死する
よき出会いがいのちを輝かせる
直接触れ合うということ
正師に会え
実践すれば即座に世界が開ける
私を見つめるもう一人の私
いまここを生きよ
- 第一章 禅の来し方
- 禅の源流……高崎直道
- インド・中国から日本の禅へ
お釈迦さまと魔訶迦葉
「禅」の語源 禅と智慧
お釈迦さまの悟られたこと
坐禅の内容と目的
悟りを得るための禅
禅とインド思想
禅定の四つの段階―四禅
大乗仏教の禅の特色 - 文明の危機と禅……奈良康明
- はじめに
普遍的なはたらき
真実を「はたらか」せる
自己をならう 真実・自我・言葉 縦ならびの自然観
自然(しぜん・nature)
自然(じねん)
「いのち」尊重の文化
生命中心主義
鰻供養の意味
- 第二章 日本社会と禅
- 現代と道元禅……山折哲雄
- 授業の最初にメディテーション
永平寺で受けた朝の坐禅
仏教ブームはお寺の庭参り
「渓声山色」と「万物生命教」
金閣寺をひそかに消した庭師
環境問題を解決する三黙道場
自然に合掌が出る文化の伝統 - 宗教と現代……佐々木宏幹
- 日本人の死者へのこだわり
「生かされて生きる」ということについて
「いのち」を感じる
地球温暖化問題
道元禅師の教えに学ぶ 自己を習い、仏の世界に渡る
自然の中に仏の姿をみる
教えを生活のなかで実践する
- 第三章 禅の未来
- 宗教と癒し……上田紀行
- 癒しが求められる時代
なぜ日本では元気になれないのか
生命が目覚めるために
透明な「日本」という存在
「つながる癒し」のパワー
「つながり」が「しがらみ」に
断ち切るために坐るということ
「悩み」を受け入れる勇気 - 般若波羅蜜多……玄侑宗久
- 言葉と記憶のあやうさ
「空」という実践的叡智
「私」を溶かす般若波羅蜜多
- おわりに 佐々木宏幹