書籍情報
内容
仏教思想の色濃い「いろは歌」にちなみ諺を並べた「いろはカルタ」は、まさしく禅的考え方の宝庫。諺ごとの“心癒される”読み筋とは?
「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」と、仏教的死生観をいろは47文字に凝縮した「いろは歌」。平安の昔に作られ、日本人が愛唱してきたこの歌が、ポルトガル伝来の「カルタ」と結びつき、諺の頭文字を「いろは」順に並べた「いろはカルタ」になった。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」……。年輩の方なら馴染み深いこれらの諺には、たんなる教訓を超えた仏教的な思想が看取できる。本書は、禅僧にして芥川賞作家である著者が、軽妙にして滋味深い筆致で、「いろはカルタ」のことわざをもとに禅的な生き方・考え方を説いている。かわいい挿画とともに、心癒されて明日への元気が出てくるヒントが満載。 福島県三春町在住の著者は、いま原発問題を中心に未曾有の大震災と向き合い、多くの情報を発信している。本書ではひととき重い気持ちを忘れ、禅の自在の境地に身をゆだねたい。
※電子書籍は単行本版と文庫版があります。
もくじ
- 第1回
- 「いろは」と禅
犬も歩けば棒に当たる - 第2回
- 論より証拠
花より団子 - 第3回
- 憎まれっ子世にはばかる
ほね折り損のくたびれ儲け - 第4回
- 屁をひって尻すぼめる
年寄の冷や水 - 第5回
- 塵も積もれば山となる
律義者の子だくさん - 第6回
- 盗人の昼寝
瑠璃も玻璃も照らせば光る - 第7回
- 老いては子にしたがう
われ鍋にとじ蓋 - 第8回
- かったいのかさ恨み
葦の髄から天井を見る - 第9回
- 旅は道連れ
良薬口に苦し - 第10回
- 惣領の甚六
月夜に釜を抜く - 第11回
- 念には念を入れ
泣きっ面に蜂 - 第12回
- 楽あれば苦あり
無理が通れば道理が引っ込む - 第13回
- 嘘から出た誠
芋の煮えたもご存じない - 第14回
- 喉元すぎれば熱さ忘れる
鬼に金棒 - 第15回
- くさいものに蓋
安物買いの銭失い - 第16回
- 負けるは勝ち
芸は身を助ける - 第17回
- 文はやりたし書く手はもたぬ
子は三界の首っかせ - 第18回
- えてに帆をあげる
亭主のすきな赤烏帽子 - 第19回
- 頭隠して尻隠さず
三べんまわって煙草にしょ - 第20回
- 聞いて極楽見て地獄
油断大敵 - 第21回
- 目の上のこぶ
身から出た錆 - 第22回
- 知らぬが仏
縁は異なもの - 第23回
- 貧乏暇なし
門前の小僧習わぬ経を読む - 第24回
- 背に腹はかえられぬ
粋が身を食う - 第25回
- 京の夢大坂の夢
禅と「いろは」
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関連リンク
- 禅のいろは 書籍 2008年11月5日