1945年12月のポーランド。赤十字の施設で医療活動に従事するフランス人医師マチルドが、見知らぬシスターに請われ、遠く離れた修道院を訪ねる。そこでマチルドが目の当たりにしたのは、戦争末期のソ連兵の蛮行によって身ごもった7人の修道女が、あまりにも残酷な現実と神への信仰の狭間で極限の苦しみにあえぐ姿だった。かけがえのない命を救う使命感に駆られたマチルドは、幾多の困難に直面しながらも激務の合間を縫って修道院に通い、この世界で孤立した彼女たちの唯一の希望となっていく……。
フランス映画祭2017 エールフランス観客賞受賞、2017年セザール賞主要4部門ノミネート作品。
監督:アンヌ・フォンテーヌ
主演:ルー・ドゥ・ラージュ(主人公マチルド)、アガタ・ブゼク(シスター・マリア)、アガタ・クレシャ(修道院長マザー・オレスカ)ほか
上映:8月5日(土)より ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
玄侑宗久推薦文
戦争による修道女たちの壮絶な体験…。
若き女医マチルドは間違いなく彼女たちの救い主になった。
凜々しく、しかも人間的魅力にあふれた彼女には、誰だって惚れるだろう。
そして愛なき秩序の空しさを知るのだ。
母性と愛を擁護する人の名がマリアなのもいい。