10月19日の河北新報に「第5回仙台短編文学賞」についてのインタビューが掲載されます。
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玄侑が選考委員を務める第5回仙台短編文学賞は11月15日締め切りです。
ジャンル不問。日本語で書かれた自作未発表の小説に限り、仙台・宮城・東北となんらかの関連がある作品が対象。詳しくは下記リンク先「仙台短編文学賞」をご覧ください。
<玄侑コメント(仙台短編文学賞公式サイトより)>
政治に言論の貧しさを感じるこの頃である。しかしそれはもしや文学の豊かな環境ではないか。コロナによる「巣ごもり」生活も、順風だと思っていい。
怺えつづけていた思いが、その表出に見合った形を探しあてる。おそらくそれが文学の発生だろう。「ジャンルを問わず」とは、思いに見合った形ならどんなものでもいいということだ。作者にも選者にも、これは嬉しい自由さではないか。
ただ雪の結晶も塵を中心に形成されるように、この場合も「東北と関連する」という些細だが重大な条件がある。たぶんそれは、佳い作品に出逢えれば重大だが些細なことに思えるのだろう。
できれば言葉では表現できない世界を見据え、ぎりぎりまで言葉での表現を突き詰めてほしい。贅沢を言えば、「時」を感じさせる作品が読んでみたい。