幼い頃、母に「死んだらどうなるの?」と聞き、ワンワン泣いたのを覚えています。その頃から死ぬというイメージは、底なしの真っ暗な井戸のような穴の中を落ち続けることでした。あの落ちていく穴は、もしかして産道のイメージだったのでしょうか・・・
だれにも答えてもらえず、死への恐怖との戦いが、時々休みつつも、大人になってもずっと続いたように思います。
『中陰の花』を読んで、ボロボロ泣きました。ずっと抱えてきた問いにやっと答えてもらったという気がしていました。次に『アミターバ』を読み、もう怖くない、私には私の信じる死と死後があると思いました。
そして今度はこれがそのままタイトルになった本が出されたと知り、迷いながらもやっぱり読もうと手にしました。正直に申しますと、私には説明されるよりも、小説から感じるとることの方がよかったと思いました。
先月、父が亡くなりました。葬儀の間、どこに父がいるのだろうとあちこちの隅っこを見ていました。今もこのメールを横から覗き込んで笑っているような気がしています。