書籍情報
内容
仙厓義梵(ぎぼん)といえば、飄逸な禅画と逸話で「博多の仙厓さん」と親しまれる江戸後期の禅僧。出光興産の創業者・出光佐三がその画風を深く愛し、コレクションしたことでも知られる。
仙厓が、博多・聖福寺の住職になるのは40歳だが、それ以前の姿は詳しく伝わっていない。しかし作家にして僧侶の著者が住持する福島県三春町の福聚寺には、仙厓の筆による聯(れん)が残されているのだ。
若き日の仙厓は、不遇な己れへの怒りを抱え、大飢饉に苦しむ東北を行脚していたらしい。各寺に残る画や墨蹟には、後年の洒脱で優しげな「仙厓さん」の面影はない。
本書は、葛藤のなかで、峻厳な青年僧から洒脱な和尚さんとなる仙厓の境地について、若き日からの作風の変遷や、断片的な資料から考察し、著者ならではの見地から力強くせまっていく。
仙厓の禅画を深く理解するうえで、貴重な道標となる好著。世に知られる代表作も多数収録され、眺めるだけで癒される。
東京新聞・中日新聞・西日本新聞に連載した「仙厓 無法の禅」を書籍化。
紙書籍
関連リンク
- 仙厓 無法の禅 執筆:前田英樹氏(批評家・立教大教授) 論評 2015年9月28日
- 読売新聞に前田英樹氏による『仙厓 無法の禅』の書評掲載 おしらせ 2015年9月28日
- ありをりある.comに『仙厓 無法の禅』の紹介文掲載 おしらせ 2015年6月12日