書籍情報
内容
世間の常識に「無邪気」で向き合い、もっと自由に心を解き放つ。季節に寄り添い自然と親和する。禅語の世界の豊饒を墨蹟と達意の文章で綴る。魂の禅的生活実践篇。
著者から
禅は世間の常識というものに対し、かなり懐疑的である。この世で生きていくうえでは世間の常識も必要だが、それは往々にして我々の精神を不自由にする。禅がなにより大切だと考えるのは、精神の自由なのだ。ここに述べた禅語を味わい、納得した事柄を生活の中で実践していくうちに、いつしかあなたは自由になり、そしていささか非常識になっているかもしれない。(中略)ここで自由とは、無邪気のことでもある。世間の常識に潜む邪気に、無邪気で向き合うのだ。無邪気こそ、我々の禅が回帰すべき場所であり、邪気に対抗できる力なのである。(「はじめに」より)
もくじ
- はじめに
- 「のっぺり」を味わう
- 年新た 一月
- 松樹千年の翠
- 無功徳
- 一月のその他の主な禅語
- 春立つ 二月
- 春は梅梢に在りて雪を帯びて寒し
- 八風吹けども動ぜず
- 二月のその他の禅語
- 三月
- 桃花春風に笑む
- 和氣高堂に満つ
- 三月のその他の主な禅語
- 四月
- 山花開いて錦に似たり
- 落花流水太だ茫茫
- 四月のその他の主な禅語
- 夏来り 五月
- 薫風南より来たる
- 喫茶去
- 五月のその他の主な禅語
- 六月
- 竹蜜にして流水の過ぐるを妨げず
- 竹 君が為に葉々清風を起こす
- 六月のその他の主な禅語
- 七月
- 山静かなること太古の如し
- 行きては到る水の窮まる処、坐しては看る雲の起こる時
- 七月のその他の主な禅語
- 秋を訪う 八月
- 白衣観音さま
- 卒塔婆小町
- 八月のその他の主な禅語
- 九月
- 千江水有り千江の月、万里雲無し万里の天
- 無事是貴人
- 九月のその他の主な禅語
- 十月
- 門を開けば落葉多し
- 止啼黄葉
- 十月のその他の主な禅語
- 冬籠もる 十一月
- 静寂
- 吾が心、秋月の碧潭に清うして皎潔たるに似たり
- 十一月のその他の主な禅語
- 十二月
- 無 隻手空挙・千変万化
- 無禅の禅、是れ正禅と名づく
- 十二月のその他の主な禅語
- 無季
- 無季のその他の禅語
- あとがき
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