しゃがむ土偶

(2018/05/31 東京新聞ほか掲載)

 夕焼け空にカラスが飛ぶのを見て、ふと「七つの子」を憶いだした。「カラス、なぜ鳴くの? カラスは山に、可愛い七つの子があるからよ」(野口雨情作詞)というあの曲である。  そしてこれまた自然に、大学時代に中国から留学してい […]

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忖度と談合

(2018/04/30 東京新聞ほか掲載)

 うちの地方では法事などの墓参の際に、お墓で「だんご」を食べる習慣がある。最近は普通のお菓子だったりもするが、「だんご」が出てくると必ず誰かが子供に向かって言う。「このだんご食べると、頭がよくなるんだぞ」。  そこで私は […]

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国土について

(2018/03/31 東京新聞ほか掲載)

 国土について考えてみた。最近は特に北海道などで、外国人が土地を買うケースが増えているという。外国に住む人でも所有できる土地がはたして国土と呼べるのか……、そんな疑問からである。  昔の日本人はその土地ごとに神さまがいて […]

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猪目(いのめ)

(2018/02/28 東京新聞ほか掲載)

 以前、伊勢神宮にも「ダビデの星」があると聞いて驚いたのだが、当時はまだネット環境のない時代だった。ところが今や、グーグルで「伊勢神宮」「ダビデの星」と入れて検索すると、二万件ちかくもヒットする。なかにはそれを以て、日本 […]

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運慶展と六田(むだ)さん

(2018/01/31 東京新聞ほか掲載)

 すでに開催期間は終わってしまったが、上野の東京国立博物館で開かれていた運慶展は凄かった。内容もさることながらあの行列……。  一度は講演のため上京した折、少し早めに行ってチケットを買ったのだが、「60分待ち」の看板に怖 […]

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奉納演武

(2017/11/30 東京新聞ほか掲載)

 好く晴れた秋の日の午後、私はその人の来訪を楽しみに待っていた。以前からお寺の坐禅会に何度も参加し、顔も姿もよく存じ上げているのだが、今日は特別だった。彼が長年修練してきた真剣による演武を見てほしい、そしてその上で話した […]

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無熱の慈しみ

(2017/10/31 東京新聞ほか掲載)

 北朝鮮のミサイルが止まらない。核実験も続いている。九月十五日朝のミサイルは、襟裳岬上空を通りながら三、七○○kmを飛んだ。最早明らかにグアム島も射程内である。  韓国では同じ頃、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が地対地弾 […]

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お墓と「くさはら」

(2017/09/30 東京新聞ほか掲載)

 前回、熊本県の阿蘇の草原(そうげん)の美しさについて少しだけ触れた。じつは大雑把に草原といっても「自然草原」と「二次的草原」があり、阿蘇の草原は後者に属する。つまり自然のままに放置すればいずれ森林になってしまう場所が、 […]

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こころの好縁会

(2017/08/31 東京新聞ほか掲載)

 正確には覚えていないがおそらくここ数年以上、「こころの好縁会」と銘打った講演や対談の催しに毎年招かれている。主催が岐阜県の大興寺(だいこうじ)さんと中日新聞社であるため、これまでは中部地方で開催されることが多かった。岐 […]

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喉仏の効用

(2017/07/31 東京新聞ほか掲載)

 このところ、誤嚥性肺炎で亡くなる方が増えている。長年、死因の第一位はがん、第二位が心臓疾患、第三位は脳血管障害というのが不動の順位だったのだが、二○一一年に肺炎が四位から三位に上昇し、今も三位を保っている。実際には、が […]

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稚児行列

(2017/05/31 東京新聞ほか掲載)

 五月五日、子供の日に、わが三春町では恒例の稚児行列が行なわれた。大正時代から続く伝統行事だが、今年も快晴に恵まれ、のどかに平和裡に圓成した。  稚児行列とは、幼な子たちを仏さまの子供とみなし、その健やかな成長を願って行 […]

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月下氷人

(2017/04/30 東京新聞ほか掲載)

 最近、じつは頼まれて仲人を務めることになった。今の若い世代は仲人など頼まず、神仏も頼まず、人前結婚などという気楽なスタイルが多いようだが、新郎がお寺の副住職ではそうもいかない。  つくづく思うのだが、結婚に至る手続きが […]

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