おおブレネリ

(2017/03/31 東京新聞ほか掲載)

 先日、スイス在住の日本人音楽家たちのコンサートを開いた。主催は私が理事長を務める「たまきはる福島基金」で、スイス大使館や内閣府などの後援もいただいた。  アルト歌手の沓沢(くつざわ)ひとみさん、ピアノの岩井美子(よしこ […]

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土と建物のおもしろい関係

(2017/02/28 東京新聞ほか掲載)

 先日、庫裏の建築をめぐって今年初めての工程会議が開かれた。毎月たいてい一度は設計士の前田伸治先生(「暮らし十職」主宰)がお出でくださるのだが、この日も遠く伊勢から駆けつけてくださった。  いつも工程会議を進行する加藤工 […]

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古梅園の墨

(2017/01/31 東京新聞ほか掲載)

 先日、奈良トヨタから講演に招かれ、師走の奈良にお邪魔してきた。  社長の菊池攻氏は、毎回講演翌日に近隣の小旅行を計画してくださる。これまでにも東大寺や西大寺、信貴山や吉野の金峯山寺、あるいは壺阪寺など、滅多にお邪魔でき […]

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デスモスチルス

(2016/12/31 東京新聞ほか掲載)

 先日、久しぶりに北海道に行ってきた。帯広空港の北東にある本別町(ほんべつちょう)という小さな町、と言いたいところだが、人口は少ないが面積はやたらに広い。ちなみに隣の足寄町(あしょろちょう)は日本一広い町で、その面積は香 […]

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南山に雲起こり……。

(2016/11/30 東京新聞ほか掲載)

 禅語に、「南山に雲起こり、北山に雨下(ふ)る」という言葉がある。辞書によっては「雲を起こし」「雨を下(くだ)す」と訓じているが、これは中国語独特の表現であくまでも自発。他動詞的に訳すと余計な意味が付着する。  そんなこ […]

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鎖国と和算

(2016/10/31 東京新聞ほか掲載)

 私の住む三春町で、最近和算の額が話題になっている。和算とは、江戸時代にこの国で独自に発達した数学だが、町内の神社仏閣から、和算額と呼ばれる絵馬のような額がたくさん見つかっているのである。  和算といえば、関孝和が有名だ […]

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さらば、ニャン太郎!

(2016/09/30 東京新聞ほか掲載)

 お盆になると、子供の頃からいろんなことが起こったものだ。東京オリンピックの年に二匹の猫が貰われてきたのもお盆前。またその後に飼ったナムという柴系の雑種もお盆に境内に捨てられた犬だった。近所の人に拾われたスピッツは同じく […]

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ほの三か月

(2016/08/31 東京新聞ほか掲載)

 七月になると、なぜか出羽三山が憶いだされる。一度しか行ったことはないが、その体験が鮮烈だったのである。  湯殿山、月山、羽黒山それぞれに特徴があり、なかなか一言では表現できないが、そこには古代から続く神仏習合がある。い […]

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レジリエンスと「寿(ことぶき)」

(2016/07/31 東京新聞ほか掲載)

 先日、横浜のパシフィコで第十六回日本抗加齢医学会総会が行なわれ、そこで講演する機会があった。事前に分厚いプログラムが送られてきたのでパラパラ眺めていると、「レジリエンス(resilience)」という言葉が目についた。 […]

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あさ

(2016/06/30 東京新聞ほか掲載)

 昔、谷岡ヤスジ氏は「アサーッ」または「全国的にアサーッ」などと呼びかける漫画で人気を博した。NHKの連続テレビ小説では昨年から、『あさが来た』がずいぶん高視聴率だったらしい。特別両者に関係があるわけではないが、このとこ […]

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ビッグデータ

(2016/05/31 東京新聞ほか掲載)

 「年々歳々花相似たり」というが、そうでもない。今年の桜を眺めつつ裏山を歩いていたら、去年までずっと花をつけなかった枝垂れ桜が、無数の花を咲かせていたのである。  私がこの寺に戻った直後に植えた木だから、もう三十年も経つ […]

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妙法

(2016/04/30 東京新聞ほか掲載)

 東日本大震災から五年が経過し、なぜか良寛和尚の言葉を憶いだした。ご存じの方も多いと思うが、いわゆる三条大地震のときに、越後の与板で被災した友人、山田杜(と)皐(こう)宛に出した見舞い文の末尾である。  「災難に逢う時節 […]

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