書籍情報
内容
解剖学者と禅僧。
異色の知による変幻自在な対話。
二人の共振から、現代人の病が浮き彫りになり、希望の輪郭が見えてくる。
ゆるやかに曖昧で、精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な科学者。悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。二人のねじれが螺旋のようにからみ合い共振する。智慧と勇気のダブル・スパイラル。
本文から
解剖学者と禅僧。
異色の知による変幻自在な対話。
二人の共振から、現代人の病が浮き彫りになり、希望の輪郭が見えてくる。
ゆるやかに曖昧で、精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な科学者。悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。二人のねじれが螺旋のようにからみ合い共振する。智慧と勇気のダブル・スパイラル。
異色の知による変幻自在な対話。
二人の共振から、現代人の病が浮き彫りになり、希望の輪郭が見えてくる。
ゆるやかに曖昧で、精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な科学者。悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。二人のねじれが螺旋のようにからみ合い共振する。智慧と勇気のダブル・スパイラル。
もくじ
- 第一章 観念と身体
- ニーズがわかる
「死体」の展示が大にぎわい
置き去りにされた身体
正座が出来ない
身体問題は近代化のツケ
体育の哲学がない
解剖は修行だ
理屈に落す危険
禅は心身一如
脳と身体に効く瞑想
観念が悩みを増幅する
言葉が届かない境地
どん底に落ちた底を掘れ
思考や観念にはきりが無い
「とにかく、黙ってやれ」
不自由の中で自由に気づく
一切はただ心が造る
日本にもミイラがあった
観念つぶし - 第二章 都市と自然
- 結論は仏教にある
原型は母系社会
母系社会から父系社会へ
囲いの中の都市
男は本来暇だった
抹殺された女性原理
直線と循環
「始め」がない
「あの世」へ戻る
直線は権力の象徴
キリスト教の遠い祖先
現実には応用しかない
八百万、咲きにぎわう
唯一観客は信仰にすぎない
人間の意識はにサルには通用しない
意識が壁をつくる
都市文明の行き詰まり
自然をコントロールしてきた人々
日本の自然はやさしい
豊かでしたたかな日本の自然
日本の自然と循環の思想 - 第三章 世間と個人
- 日本に個人はない
挙句の果てが「自分探し」
坐禅から始まる個人
職業差別なんて怖くない
世俗と宗教の壁
江戸以前の「個」
日本人は攻撃性が内に向かう
社会的役割という考え方
日本型平等思想の強靭
近代主義の残滓
人は変わる
「変わらない私」という幻想
自立って何だ
名前を変える
個性なんかない
社長は親分、助教授は若頭
オランダの安楽死
自己決定より重い世間
死んだらホトケ
自分に対する安楽死
年寄りにはわかる
見えない自殺
変わる自分を楽しむ
脳死の矛盾
水に流す
様々な機能が生まれ変わる
連続性は同一性を保証しない
障子一枚のプライバシー - 第四章 脳と魂
- 言葉なんて要らない
筋肉の記憶
システムは続く
記憶も自発性も、システム
それは……魂?
脳の埒外
一気に変わるのはなぜか
人に人はつくれない
三木成夫の世界
自然の中の文字が読める
すべては出来事
西洋はキリスト教に戻る
分割出来ないモノで世界は構成できるか
カオスの東洋的理解と西洋的定義
この世が地獄!?
生き物が教えてくれる
見えないものを受け容れる
因果律はこの世に収まらない
色で空は捉えられない
すべてがつながっている
希望をもったまま保留する - あとがき
- ふつうのお坊さん……養老孟司
孟母四遷して…………玄侑宗久
解説:茂木健一郎「脳と魂の間の補助線」
関連リンク
- 脳と魂(吹人様 57才 静岡県 男性) 感想文 2008年4月12日
- 「左脳に落ちない」身体の覚醒 脳と魂 書評 論評 2005年5月2日
- 脳と魂 新刊Book Guide 論評 2005年4月22日
- 脳と魂の間の補助線 規制の概念にとらわれない、生のリアリティに着地した語り 脳と魂 書評 (執筆:茂木健一郎氏) 論評 2005年3月12日
- 日本と日本人の変容を 僧侶と解剖学者が語り尽くした Book Watcherの絶対に読んでトクする20冊より 書評 (執筆:一志治夫氏) 論評 2005年3月5日
- 話題の二人による対談集 脳と魂 書評 (執筆:麻生タオ氏) 論評 2005年3月1日
- 脳科学者と禅僧が近代化批判めぐり対話 「公」と「私」と「個」議論の展開興味深く 脳と魂 書評 (執筆:上野昂志氏) 論評 2005年2月28日
- 脳と魂 書物の輪蔵 論評 2005年2月8日
- 最先端思想を平易な言葉で 脳と魂 書評 (執筆:小林司氏) 論評 2005年2月7日
- 科学と禅が織りなす螺旋 脳と魂 書評 話題の新刊はこれだ! 論評 2005年2月7日
- 脳と魂 書籍 2005年1月13日