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海という暗黒

 私が生まれた町は海から遠く、今も私はその町に住んでいる。  その代わりというのも妙だが、町からさほど遠くないところに大きな湖があり、幼いころの私はそれを海だと思っていた。  大きな湖だし深さも百メートル近くあるから、ち […]

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桜が枝垂れたワケ

 今年(二〇〇九年)の二月に朝日新聞が桜についてのアンケートを行なった。全国各地四十本の桜を予めリストアップし、そのなかから自分にとってのベスト3を選ばせたのである。  どうしてそんなに競わせたいのか分からないけれど、と […]

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「生きる」ことと記憶

 通常、記憶というのはコンピュータのメモリーのように、脳のどこかに固定的に貯蔵されているものと思いがちである。しかしどうもそうではなく、憶いだす瞬間に再構築されているらしい。  そのことは、ノーベル賞を受賞した神経学者ジ […]

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三春の桜

 三春町には、いったい桜が何本あるのだろう。  一億円のふるさと創生資金のうち、八千万が桜の植栽に使われた。その時点で本数は吉野を超え、日本一になったのだとも聞いた。むろんそれ以前から紅枝垂れは数多く、四百数十年まえの殿 […]

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幽玄に向かうとき

 幽玄といえば、お能を憶いだすかもしれない。幽は「かすか」とも読むが、さまざまなものが渾然としている奥深さ、また玄とはすべての色がそこから出てくる黒のことだ。  能や水墨画の特徴としての認識が強いかもしれないが、これは明 […]

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有情の春

 仏教には、この世のすべての物を「有情(うじょう)」と「非情」とで分ける習慣がある。「有情」は唐の玄奘(げんじょう)三蔵が梵(ぼん)語の sattva(サットバ) を訳した言葉で、それ以前は「衆生」と訳されていた。  衆 […]

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みんなの花

 桜はなぜ日本人みんなの花になったのか、考えてみるとよく解らない。  桜は国産の花木だというが、「桜」という文字は、中国からやってきた。むろん中国の漢詩でも桜は古くから登場する。おそらくはそれを真似て『古事記』『日本書紀 […]

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