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地霊の王国へ
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(2015/01/05 光線 文庫版掲載)

 私は以前、自分なりに「地霊」という隠しテーマをもって、『四雁川流景』(文春文庫)という短編集を上梓したことがある。それはある想像上の町の、古代から積み重なった大地の記憶を覗く程度の、ささやかな物語であった。  今回、村 […]

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「神秘」という名の救済
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( 水木しげる漫画大全集 神秘家列伝 下巻掲載)

 神秘について解説をするなんて、じつに不粋な話である。しかも本書で「神秘家」と括られている方々は、誠に多彩である。柳田国男や泉鏡花、平田篤胤など、神秘を精密に記述せんとした人々もいる一方で、仙台四郎の如く、晩年の「没蹤跡 […]

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「長い目」の作家の祈り
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(2012/10/19 光媒の花 文庫版(集英社)掲載)

 初めて道尾さんに会ったのは、池袋だった。そのとき彼は私の講演を聴きにきた聴衆の一人で、サイン会に並んでくれた挙げ句、「ミステリーを書いています」などと控えめな自己紹介をした。  正直なところ、私はまだ彼の名前を知らなか […]

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五木寛之氏の『天命』に解説執筆
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( 天命(幻冬舎文庫) 掲載)

もっとも善良でもっとも愛した人がなぜまっ先に死ななければならなかったのか。受け入れがたい不公平な死をどう乗り越えて生きていけばよいか、五木寛之が赤裸々に綴る―。生きることの意味を問いつづけてきた著者が、生涯最大・最終テー […]

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頭取無惨
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( 掲載)

会社で戦え、社会で生きろ 6人の銀行員、それぞれのレジスタンス 大手銀行広報部長、南雲龍一、45歳。「この人について行こう」そう、彼が心に誓った頭取をあまりにも急すぎる死が襲った。しかもそれは銀行の経営破綻が決定した夜の […]

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江上剛氏の『頭取無惨』の解説を執筆
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( 掲載)

会社で戦え、社会で生きろ 6人の銀行員、それぞれのレジスタンス大手銀行広報部長、南雲龍一、45歳。「この人について行こう」そう、彼が心に誓った頭取をあまりにも急すぎる死が襲った。しかもそれは銀行の経営破綻が決定した夜のこ […]

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分冊文庫版 鉄鼠の檻 4
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( 掲載)

あるべきでないものは――矢張りない方がいい……発見なんかされなきゃ良かったんだ 「ああ云う場所はもう――これから先はなくなってしまうのだろうな」。京極堂は最後に独り言(ご)ちた。多くの仏弟子を次々に魔境へと拉(らっ)し去 […]

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京極夏彦氏の『分冊文庫版 鉄鼠の檻 4』の解説を執筆
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( 掲載)

あるべきでないものは――矢張りない方がいい……発見なんかされなきゃ良かったんだ 「ああ云う場所はもう――これから先はなくなってしまうのだろうな」。京極堂は最後に独り言(ご)ちた。多くの仏弟子を次々に魔境へと拉(らっ)し去 […]

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すさまじき遊行の迫力
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(2005/1/28 新潮文庫掲載)

 この本は、まるごと一遍上人の一生である。俗世での生い立ちや成長はむろんのことだが、念仏者として自身の教義を確立していく過程も、リアルに追体験できる。編年で書かれているのは、著者の誠実なのだろう。筆を遊ばせぬ確かな素描は […]

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