吉川英治は「会う人みな我が師なり」という意味のことを云(い)ったらしい。しかし私にとって師といえば、やはり天龍寺の平田精耕老師だ。深い交遊について書くようにとのご依頼だし、果たして老師とのことを「交遊」と呼んでいいかど […]
書籍題名: ち・中陰の花
お経と小説
中陰の花が咲き、芥川賞を受賞してしまった(二〇〇一年)。すると全国あちこちの和尚さんたちからたくさんの手紙が届いた。単に喜びと激励の手紙もあるが、多くは「じつは自分も永いこと小説を書いていて……」というもので、そうした […]
中陰ガム
芥川賞の受賞決定後、友人からメイルが届いた。「中陰という言葉を現代日本に浮かび上がらせた宗久さんも大したもんだ。流行語大賞となり、たくさんの人が中陰ガムなんか食べるようになれば今の日本人の知的ユーモアも水準が高いと言え […]
中陰の花
JLPP 第2回 対象作品<文化庁「現代日本文学の翻訳・普及事業」対象作品> 選考委員全員の支持を集め第125回芥川賞を受賞しました。選考委員の石原慎太郎氏は、選評に「こうした主題は人間が『存在』についての認識を持つ唯一 […]
【文庫】中陰の花
第125回・芥川賞受賞作 JLPP 第2回 対象作品<文化庁「現代日本文学の翻訳・普及事業」対象作品> カバー絵は玄侑宗久の友人である伊藤彰規氏の作品です。 本書の著者玄侑宗久は、「現代に生きる仏僧」として努力している人 […]
向かい合った人に共振していく ―第125回芥川賞に決まった臨済宗僧侶―
二回目の候補での受賞の報は、福島県郡山市内で友人と「二匹目のドジョウを囲む会」を開いて待ったという。 「二匹目のドジョウが笑ったということで、とてもうれしい」 読経で鍛えた太い声で喜びを語った。 受賞作「中陰の花 […]