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悲しみの底
(エッセイ・ 2012/3/18 )

 未曽有の大震災から一年が経ち、各地で追悼の儀式が営まれた。実に多くの人々があらためて悲しみを深くし、それでも新たな一歩を踏みだそうとしているわけだが、中にはそうできない人々もいる。行方不明者が今も3000人以上いること […]

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ダルマの一文字
(エッセイ・ 2012/1/15 )

 巨大なダルマの腹にその年の希望の一字を入れる行事も今年で3年目になる。  京都・清水寺の貫主さまが一年を振り返って揮毫(きごう)されるのに対し、こちらは新年の希望を込める。もともと「正月」とは禅寺の「修正会(しゅしょう […]

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原発とTPP
(エッセイ・ 2011/11/6 )

 どうにもふざけた話が持ち上がっている。環太平洋経済連携協定(TPP)である。当初はシンガポール、チリ、ブルネイ、ニュージーランドなど小国が提携することで市場での競争力を上げようという試みだったわけだが、昨年10月以降、 […]

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「裸の王様」と、次の王様
(エッセイ・ 2011/9/4 )

 八月二十六日午後、私は郡山市にあるNHK文化センターで『方丈記』の話をしていた。世の中進んだもので、その講座はNHKのカメラを通し、ユーストリーム(Ustream)で全国に配信された。NHK文化センター本社からはツイッ […]

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人牛同病
(エッセイ・ 2011/7/3 )

 政府の復興構想会議が一段落して、今一番気になっているのは警戒区域内に取り残された動物たちのこと、また福島県民の内部被曝(ひばく)のことだ。しかもこの二つは、私のなかでは繋(つな)がっている。  犬・猫などのペットについ […]

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急げど慌てず
(エッセイ・ 2011/5/1 )

 この度、東日本大震災の復興構想会議メンバーになった。それでなくとも組織が多すぎ、指揮系統が複雑でよく分からないのだが、ともかく発言の場は与えられる。微力を尽くしたいと思っている。  今回の震災では、あまりにも未経験のこ […]

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大人と子供
(エッセイ・ 2011/2/27 )

 子供のころ、大人というのは複雑でよく解らない人々だと思っていた。酒を飲みタバコを吸う様子にも、きっと大きくならないと子供には解らない理屈があるのだろうと思っていた。小学校から中学に上がってもその感覚は変わらず、大人の行 […]

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計画病
(エッセイ・ 2010/12/19 )

 このところ、死後のことなどを考えるのがブームのようだ。「死」そのもののイメージが湧きにくいため、どうしても死後のことばかり考えるのだろうが、この両者は大きく隔たっている。  葬儀は身内だけでいいとか、お墓はもう申し込ん […]

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「情報」という名の幽霊
(エッセイ・ 2010/10/17 )

 情報化社会と云われて久しい。学生たちもこぞってコンピューターを使い、世界中の情報を自由に取得できる時代になった……、かに思われているが、果たして本当にそうだろうか。  百歳以上で行方知れずの人々はどんどん増え、最終的な […]

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死ねる病院はどこ?
(エッセイ・ 2010/8/15 )

 厚労省の内部用語であった「後期高齢者」という言葉が表沙汰に使われ、えらく不評だったのは記憶に新しいが、それが今度は「長寿」医療制度などと改名されたのだから、ちゃんちゃら可笑しい。  命名については笑うしかないが、笑って […]

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墓地共用のすすめ
(エッセイ・ 2010/6/13 )

 このところ、島田裕巳氏が『お葬式は、要らない』(幻冬舎新書)を書き、一条真也氏が反論として『お葬式は必要!』(双葉新書)を書くなど、お葬式をめぐる状況の変化が俄かに注目されている。  私の立場で「必要」だと申し上げるの […]

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花散らぬ、嵐
(エッセイ・ 2010/4/11 )

 四月二日、東京五反田のIMAGICAという映像・音響施設で、映画「アブラクサスの祭」の初号試写会があった。以前そこには、自著の朗読のために行ったことがある。しかし今回は桜が満開だったせいか、少々迷いながら辿り着いた。 […]

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