日曜論壇
臆病になる勇気
(エッセイ・
2015/2/22 )
このところ、あちこちで安倍総理の「テロに屈しない」という言葉を目にし、耳にする。なるほど何かに屈するというのは、格好が悪いしぶざまにも思えるのだろう。この言葉が割とスンナリ受け容れられているかに思えるのは、何事にも屈す […]
選挙「権」について
(エッセイ・
2014/12/21 )
討ち入りの日の選挙が呆気(あっけ)なく終わった。呆気なくというのは、予想通りの結果と共に、ということである。 今回の選挙で自民党は、議論のテーマを「アベノミクスの是非」に絞り込んだ。「経済の復興は、大切ですか、そうで […]
翁忌(おきなき)に思う
(エッセイ・
2014/10/19 )
「翁忌」というのをご存じだろうか。旧暦の十月十二日のことで、松尾芭蕉の命日である。現在の暦ではすでに過ぎたけれど、旧暦で言うならこれからだ。 「翁」と呼ばれる人は、この国では神に近い存在として尊ばれている。現代人とい […]
屋根裏地獄
(エッセイ・
2014/8/17 )
今年の五月八日から、本堂の改修工事が始まった。周囲に足場を組み、屋根に覆いを掛け、トタンやその下の茅を取り除き、屋組みの一部は壊して作り直す。途中、基礎の台木を入れ替えて水平を取り戻し、壁の表面も塗り直し、建具も作り替 […]
ヒューマン・エラー
(エッセイ・
2014/6/15 )
世の中に、いまだかつてミスをしたことがないという人はいるのだろうか。おそらく皆無だろう。たとえばヒットラーも、当時のドイツ人が正当な選挙で選んだのだし、イラク戦争も、アメリカの思い込みで堂々と始まってしまった。 アメ […]
「中間」貯蔵施設の行方
(エッセイ・
2014/4/13 )
福島県議会も福島県も、放射性廃棄物の貯蔵については、一旦双葉郡の大熊町や双葉町などで「中間」貯蔵するものの、三十年以内に県外に持っていくという条件で話を進めつつある。 しかしいったい、どこへ持っていくことが可能だとい […]
恵方巻き
(エッセイ・
2014/2/9 )
このところ、節分が近づくとあちこちで恵方巻きが売られるようになった。昔は関西圏にしかなかった習慣のはずだが、どうやらこれを広めたのはコンビニらしい。先日沖縄に行ったら向こうのコンビニ前にも恵方巻き宣伝用の幟(のぼり)旗 […]
「見識」から「厳罰」へ
(エッセイ・
2013/12/8 )
特定秘密保護法案が成立してしまった。衆参両院とも強引な形で採決された。先月二十五日に福島市で開かれた公聴会と称する集会では、発言者全員が反対表明や慎重な審議を求めたにもかかわらず、である。通常、こういう拙速なやり方をさ […]
オリンピックと原発
(エッセイ・
2013/10/6 )
9月9日早暁、2020年のオリンピック開催地が、東京と決まった。長年、誘致の努力を重ねてきた人々もいたのだから、その喜びは想像もできる。しかし、「250キロも離れている」福島県民としては、複雑な心境である。 いま、県 […]
徳島にて
(エッセイ・
2013/7/21 )
七月十五日、徳島新聞社主催・福島民報社共催によるシンポジウムが徳島市文化センターであり、お邪魔してきた。徳島新聞社にはいわき市出身の岡本光雄さんという方がおり、震災後も継続的な支援を考えてくださっている。 岡本さんの […]
「マイナンバー」いらない!!
(エッセイ・
2013/6/2 )
恐れていた「共通番号法」がとうとう参議院で可決され、成立してしまった。これだけ問題点が指摘され、先行実施している米国での犯罪利用状況まで分かっているのに、いったい国会という場所では何が審議されているのだろう。 東日本 […]
春が来た!
(エッセイ・
2013/3/31 )
日本人は、お正月から「頌春」「賀春」と春を讃えている。節分にもまた「春だ」と喜び、そして「春は名のみの風の寒さ」など体験してから、いよいよ本格的な春の到来を植物の芽吹きで知る。「めでたい」はもともと芽が出ようとする状況 […]