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エッセイ


日曜論壇 第109回 文化の力

(2023/04/02 福島民報掲載)

 ロシアがとうとうウクライナの図書館を破壊しはじめた。いわゆる「焚書(ふんしょ)」で、ウクライナを文化ごと滅ぼそうというのだろう。  焚書といえば始皇帝の「焚書坑儒(こうじゅ)」を憶(おも)いだす。実用書以外の諸子百家の […]

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同期の桜、桜の同期

(2023/03/01 うえの 2023年3・4月合併号掲載)

 冬の境内を歩いていると、よく桜の枯れ枝を見つける。木枯らしに耐えかね、折れたのだろう。土に還ることを想い、私はそのまま歩き去る。昔から「桜切る莫迦、梅切らぬ莫迦」などと言うが、桜の古枝はこうして厳しい自然が静かに淘汰し […]

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天真を養う 第14回 「坐」ってリセット

(2023/03/01 墨 2023年3・4月号 281号(芸術新聞社)掲載)

 日本人の日本人らしさとは何なのかと、たまに考えることがある。昔の答えは「布団の上げ下ろし」と「正坐」だった。オンドルに布団を敷いたままの韓国人と、北宋の時代からベッドを使った中国人に対し、日本人はつい最近まで布団を上げ […]

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日曜論壇 第108回 粘り強い知力

(2023/01/29 福島民報掲載)

 先日、双葉町の東日本大震災・原子力災害「伝承館」で、二日にわたる興味深い催しに参加した。初日は伝承館の上級研究員である開沼博さんと私との対談、そして夜の懇親会を挟み、二日目は参加者も交えた全員の「対話」である。開沼さん […]

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『紫野』連載エッセイ 第2回 授戒と白木槿(しろむくげ)

(2023/01/01 『紫野』第62号(臨済宗大本山大徳寺)掲載)

 先日、三年前に旦那さんを亡くされた奥さんが、自分も受戒して戒名を授かりたいと、手紙をくださった。早速日程を決め、授戒会を行なったのだが、私自身「戒」について考える良い機会だったのでご報告したい。  戒は本来、生前に授か […]

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天真を養う 第13回 「一」という体験

(2023/01/01 墨 2023年1・2月号 280号(芸術新聞社)掲載)

清巌宗渭筆「一」一大字 清巌宗渭 慶應義塾蔵(センチュリー赤尾コレクション) https://objecthub.keio.ac.jp/object/298  最近は自他の違いに目を向け、多様性を尊重するのがトレンドらし […]

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日曜論壇 第107回 政教癒着

(2022/11/20 福島民報掲載)

 ロシア正教トップのキリル総主教は十月末に行なった説教のなかで、プーチン大統領を「主席エクソシスト(払魔師)」と称し、「反キリストを掲げる者に立ち向かう闘士」だと讃えた。  「エクソシスト」といえば昔見た悪魔払いのオカル […]

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特集「モノ、こだわり、ストレスを手放そう。『捨てる』と人生が好転する!」 苦楽の尾ひれを捨てる

(2022/11/10 月刊PHP No.895 創刊75周年12月号掲載)

 『老子』第十章に、次のような言葉がある。「生(しょう)じて有(ゆう)せず、為(な)して恃(たの)まず、長(ちょう)じて宰(さい)せず、是(これ)を玄徳と謂(い)う」。要は「徳」についての規定で、最も深遠な徳(玄徳)は、 […]

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天真を養う 第12回 修行の階梯

(2022/11/01 墨 2022年11・12月号(279号)(芸術新聞社)掲載)

「十牛図」 陶山雅純摸 原本:狩野探幽筆 江戸時代 東京国立博物館蔵 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)  「天真を養う」という言葉は不思議である。天真は以て生まれた命そのもの […]

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特集「心ととのえる書」 そこに自由はあるんか?

(2022/11/01 墨 2022年11・12月号 279号(芸術新聞社)掲載)

 「心ととのえる書」という特集名を見て、私はあらためて「心ととのえる」とはどういうことだったかと、考えてしまった。  私が属する臨済宗妙心寺派では、生活信条として次のような言葉を掲げている。「一日一度は静かに坐って、身( […]

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特集 マインドフルネスとコンパッション 梯子と階段とエスカレーター

(2022/10/05 精神療法 Vol.48 No.5(金剛出版)掲載)

 今回いただいたテーマは、「マインドフルネスに対する批判と今後の展開~禅の立場から」である。どうやら私がマインドフルネスを批判するものと決めてかかっているようだが、……どうしようか。  期待どおり批判するのが礼儀かもしれ […]

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多田 フォン トゥヴィッケル 房代 著『楽の音(らくのね) ドイツの森と風のなかで』 解説 新たな風土に游ぶ

(2022/09/29 『楽の音(らくのね) ドイツの森と風のなかで』多田 フォン トゥヴィッケル 房代掲載)

 解説をと依頼され、原稿が届いたのはお盆直前。しばらくは読めないだろうと諦めていたのだが、試しに頁を捲って読み始めてみると止められなくなり、途中で何度も客の応対をしながら原稿に戻るという調子だが、とうとうその日のうちに読 […]

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