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エッセイ


桜が枝垂れたワケ

(2009/03 Monmo掲載)

 今年(二〇〇九年)の二月に朝日新聞が桜についてのアンケートを行なった。全国各地四十本の桜を予めリストアップし、そのなかから自分にとってのベスト3を選ばせたのである。  どうしてそんなに競わせたいのか分からないけれど、と […]

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「白隠禪画墨蹟」推薦文 白隠禪画墨蹟

(2009/03/23 「白隠禪画墨蹟」案内掲載)

 芳澤先生は、白隠病である。この病気は白癬菌とは関係ないが、周囲にも感染する。  どうやら私もうつってしまったようだ。初めてお目にかかったとき、一緒に風呂にはいり、同じ部屋で寝たのが決定的だった。  禅師の墨蹟は、芳澤先 […]

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日曜論壇 第28回 団子と頭痛

(2009/03/08 福島民報掲載)

 県内だけでなく、けっこう広い地域に云い伝わることだが、お墓参りのときにお供えした団子を食べると頭が痛くならないという。  僧侶になりたての時は、莫迦な迷信とも思い、またそれなら団子にバファリンやノーシンでも入れたらどう […]

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甘みの旨味

(2009/02/21 あま味(菓匠・榮久堂が発行する冊子)掲載)

 『荘子』では、「甘」という文字が「うまい」という意味で使われている。お釈迦さまの誕生を祝福したのも「甘い雨」、甘露だった。やはり人間の甘いものに対する欲求は、最も根源的なのだろうと思う。  いつ頃からだろうか。現代人は […]

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モノからコトへ ~妙心寺展に寄せて~

(2009/02/01 うえの掲載)

 上野の国立博物館・平成館で、妙心寺展が行なわれている。なにしろ開山(初代住職)である関山慧玄(かんざんえげん)禅師の六百五十年遠諱(おんき)を記念しての一大イヴェントだから、これまでなかなか人目に触れなかった国宝、重要 […]

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日曜論壇 第27回 さまざまな正月

(2009/01/11 福島民報掲載)

 毎年お寺のお正月は、檀家さんからの年始受けやこちらからの年始廻りで慌ただしい。こちらからお邪魔するのはお寺独特の用語で「配札(はいさつ)」というのだが、要するに元朝に祈祷した御札を配り歩き、各家の一年の清安を祈るのであ […]

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巻頭リレーエッセイ 「もちまえ」と「わたくし」

(2009/01/01 月刊武道掲載)

 生まれたときからもっている命の在り方を「もちまえ」と云う。中国の文字にすれば「性」になるだろうか。動物の多くは、この「もちまえ」だけで死ぬまで生きる。ネコがネズミを獲るのは「もちまえ」ではなく、学習に近いと発達心理学者 […]

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日曜論壇 第26回 金風

(2008/11/02 福島民報掲載)

 食欲の秋、文化の秋、スポーツの秋、読書の秋。秋には何でもよく似合うわけだが、なにもこれを全部こなして忙しくしろという意味ではない。昔から秋は稔りの季節。なにをやっても深く味わえるときということだろう。  たいていの田畑 […]

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まどさんは、えらい!

(2008/10/01 飛ぶ教室掲載)

 『まど・みちお全詩集』が一冊あると、かなりたくさんのご利益がある。息苦しい部屋に窓が一つあると、風がそよそよしたり、おひさまがきらきらしたり、蝶々がひらひらしたりするようなものだ。  そこは、子供の頃の世界のようでもあ […]

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あっぷっぷ

(2008/8/28 月刊武道掲載)

 「あっぷあっぷ」と聞けば今にも溺れそうだが、「あっぷっぷ」は私の中では睨めっこの記憶に重なる。しかし現在の若い人々では、はたしてどれだけ睨めっこを経験しているのだろう。 ダルマさん ダルマさん 睨めっこしましょ 笑っち […]

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日曜論壇 第25回 お寺のゴミ問題

(2008/08/24 福島民報掲載)

 このところ、世間では二酸化炭素(CO2)の問題が流行っている。焚き火も全面禁止する行政が増えていると聞く。以前は、フロンガスやダイオキシンなどが取り沙汰されたものだが、最近はもっぱら二酸化炭素問題に絞られている。近年の […]

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日曜論壇 第24回 私は裁きません!

(2008/06/15 福島民報掲載)

 このところ、あまりに重要な取り決めがたいした議論を経ないでストンと決まることが多い気がする。「裁判員制度」もそうだ。私が世間知らずなだけかもしれないが、少なくとも騒ぎになったときにはもう決まっていた観がある。  調べる […]

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