1. Home
  2. /
  3. エッセイ
  4. /
  5. Page 24

エッセイ


巻頭リレーエッセイ 「もちまえ」と「わたくし」

(2009/01/01 月刊武道掲載)

 生まれたときからもっている命の在り方を「もちまえ」と云う。中国の文字にすれば「性」になるだろうか。動物の多くは、この「もちまえ」だけで死ぬまで生きる。ネコがネズミを獲るのは「もちまえ」ではなく、学習に近いと発達心理学者 […]

続きを読む… from 「もちまえ」と「わたくし」


日曜論壇 第26回 金風

(2008/11/02 福島民報掲載)

 食欲の秋、文化の秋、スポーツの秋、読書の秋。秋には何でもよく似合うわけだが、なにもこれを全部こなして忙しくしろという意味ではない。昔から秋は稔りの季節。なにをやっても深く味わえるときということだろう。  たいていの田畑 […]

続きを読む… from 金風


まどさんは、えらい!

(2008/10/01 飛ぶ教室掲載)

 『まど・みちお全詩集』が一冊あると、かなりたくさんのご利益がある。息苦しい部屋に窓が一つあると、風がそよそよしたり、おひさまがきらきらしたり、蝶々がひらひらしたりするようなものだ。  そこは、子供の頃の世界のようでもあ […]

続きを読む… from まどさんは、えらい!


あっぷっぷ

(2008/8/28 月刊武道掲載)

 「あっぷあっぷ」と聞けば今にも溺れそうだが、「あっぷっぷ」は私の中では睨めっこの記憶に重なる。しかし現在の若い人々では、はたしてどれだけ睨めっこを経験しているのだろう。 ダルマさん ダルマさん 睨めっこしましょ 笑っち […]

続きを読む… from あっぷっぷ


日曜論壇 第25回 お寺のゴミ問題

(2008/08/24 福島民報掲載)

 このところ、世間では二酸化炭素(CO2)の問題が流行っている。焚き火も全面禁止する行政が増えていると聞く。以前は、フロンガスやダイオキシンなどが取り沙汰されたものだが、最近はもっぱら二酸化炭素問題に絞られている。近年の […]

続きを読む… from お寺のゴミ問題


日曜論壇 第24回 私は裁きません!

(2008/06/15 福島民報掲載)

 このところ、あまりに重要な取り決めがたいした議論を経ないでストンと決まることが多い気がする。「裁判員制度」もそうだ。私が世間知らずなだけかもしれないが、少なくとも騒ぎになったときにはもう決まっていた観がある。  調べる […]

続きを読む… from 私は裁きません!


お坊さんだって怒ってる

( 掲載)

あの国の真似やめてほしい  標記のタイトルで原稿を受けてしまったものの、その後海の向こうでは多くのお坊さんたちが本当に怒りだした。ビルマでも、チベットでも、またそれを受けて世界中のお坊さんたちも怒っている。彼らの深く潜行 […]

続きを読む… from お坊さんだって怒ってる


日曜論壇 第23回 なんのための改名か!

(2008/04/13 福島民報掲載)

 このところ、聾学校を「聴覚支援学校」と改名しようとして、当の聾学校の人々の反撥を招いている。つまり、彼らは「聾」という言葉に誇りさえ持っているのに、「支援されるべき」人々と見られたことでその誇りが傷つけられたのである。 […]

続きを読む… from なんのための改名か!


不自然な自然

(2008/03/28 月刊武道掲載)

 今日たまたま歯医者さんに出かけていて、なぜかトウモロコシを憶いだした。  歯並びの写真が直接的にトウモロコシに似ていたのだから、「なぜか」というのも当たらないほど飛躍のない話である。  それはともかく、トウモロコシがど […]

続きを読む… from 不自然な自然


日曜論壇 第22回 新しい郵便局にお願い

(2008/02/10 福島民報掲載)

 またしても、郵便局で嫌な思いをしてしまった。承知はしているのについ忘れてしまい、よく知っている職員に、自分を証明する免許証か保険証の提示を求められ、私は俄かに湧き起こる不快感を抑えることができなかった。  昨年一月から […]

続きを読む… from 新しい郵便局にお願い


「キュア」書評 最初の読者から ガンと自然への遠大な試み

(2008/02/01 一冊の本掲載)

 田口ランディさんという方は、きっといろんな人や世界と親しくなる能力に恵まれているのだろう。彼女の書く小説では、いつも作者と登場人物が親しく、分身のようだと感じることも多い。  そんな彼女がガンそのものをテーマに描くとい […]

続きを読む… from 最初の読者から ガンと自然への遠大な試み


嵐山は煙雨

(2008/01/22 中外日報掲載)

 一月九日午後五時すぎ、ちょうど平田精耕老師が遷化されたその頃、私はなぜか老師の書かれた文章を読み返していた。頼まれた原稿を書く資料を見に書庫に入り、そこでたまたま目についた老師の文章を読みだしたらやめられなくなり、部屋 […]

続きを読む… from 嵐山は煙雨