自著・共著に関する記事
テルちゃん
(論評・ 2009/1/1)
書評 (執筆:道尾秀介氏)
すべての生き物の中で、感情的な涙を流すのは人間だけだという。 ものの本によると涙にはエンケファリンという物質が含まれていて、これがじつは天然の鎮静剤なのだとか。つまり人間は感情が昂(たか)ぶったとき、泣くことによって心 […]
テルちゃん
(論評・ 2008/12/1)
書評 (執筆:椋とんび氏)
これまで介護を扱ったさまざまな作品を読んできたが、そこには介護をめぐる困難さや苦労がつきものであった。介護とは苦痛を伴うものであり、できれば避けて通りたいというイメージは多くの人が抱いていると思う。 玄侑宗久氏の『テ […]
龍の棲む家
(論評・ 2007/12/14)
書評 (執筆:道尾秀介氏)
上野でフィラデルフィア美術館展をやっているというので、身支度を調えて前傾姿勢で出かけていった。どうして前傾姿勢だったかというと、館内でレンタルできる音声ガイド(イヤホン式)の声が、檀れいさんだと新聞広告に書いてあったか […]
龍の棲む家
(論評・ 2007/11/18)
書評 (執筆:井口時男氏)
父親に認知症が始まったと兄から知らされた幹夫は、実家に戻って父親と暮らし始めた。 働き盛りの男が仕事を捨てて介護に専念しようと決意するには大きな葛藤があろうと思うが、小説はそういう心理的背景には立ち入らない。また、父 […]
「生きる」ことと記憶
(エッセイ・ 2007/5/28)
通常、記憶というのはコンピュータのメモリーのように、脳のどこかに固定的に貯蔵されているものと思いがちである。しかしどうもそうではなく、憶いだす瞬間に再構築されているらしい。 そのことは、ノーベル賞を受賞した神経学者ジ […]
三春の桜
(エッセイ・ 2007/3/7)
三春町には、いったい桜が何本あるのだろう。 一億円のふるさと創生資金のうち、八千万が桜の植栽に使われた。その時点で本数は吉野を超え、日本一になったのだとも聞いた。むろんそれ以前から紅枝垂れは数多く、四百数十年まえの殿 […]
「知と愛」~若き葛藤を包み込む息づかい~
(エッセイ・ 2007/2/15)
再会の読書 ヘルマン・ヘッセ「知と愛」 若い頃、まだ修行に行くまえの私は、宗教と文学との間で揺れていたと、最近は人に話す。しかし冷静に考えると、そのような振り子みたいな迷いではなかったような気がする。 図書館分類学の […]
まるごと受け入れるということ。
(論評・ 2006/11/7)
現代語訳般若心経 書評 (執筆:斎藤みち子氏)
全部で262文字。短くてもっとも有名なお経の「般若心経」を現代語訳した本。 純文学の作家で、また僧職にある人が現代語訳するのだから、わかりやすい工夫がいろいろ仕掛けられている。お釈迦さまが大勢の求道者や修行者と一緒に […]
仏教者の視点で宮澤賢治に新しい光を照らす
(論評・ 2006/11/6)
慈悲をめぐる心象スケッチ 書評 (執筆:千葉望氏)
数年前、朝日新聞社から出た『週刊朝日百科・仏教を歩く 日蓮』に、宮澤賢治に関する玄侑さんのこんなエッセイが載っていた。 「だいいち『春と修羅』の序文にしてからが、般若心経の翻案である。『わたくしといふ現象は、仮定され […]
お坊さんだって悩んでる
(論評・ 2006/10/10)
書評
柔らかく、謙虚な口調で書かれた人生案内。坐禅をはじめとする禅の技術を備える著者は、ややこしい現代を生き抜く知恵を伝える、説法の技術も極めつつあるようだ。本書に収められている27の問答は語り口調でありながら、じつは紛れも […]
YOUYOU INFORMATION BOOKS
(論評・ 2006/9/1)
ベラボーな生活 禅道場の「非常識」な日々 書評
入門試験は玄関での座り込み、真冬も裸足で掃除と坐禅を繰り返し、出された食事は吐いてでも平らげねばならず……。老師や僧仲間とのエピソードを交え、禅道場での修行の日々を軽妙な筆致で綴った。限界の中で引き出される知恵とユーモ […]
知られざる僧侶の悩みの数々
(論評・ 2006/8/28)
書評
お坊さんといえば人格者。徳があって迷いがないと思っていたら…。 「お葬式の意味をどう子どもに説明すればいい?」「跡取りが茶髪だけどどうしよう?」「イラクに派遣される自衛隊員にかける声は?」 仕事や家族の問題から社会問 […]
