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聖なる赤い糸玉
(エッセイ・ 2011/11/2 )

 あらゆる宗教の核に存在する「聖なるもの」を「ヌミノーゼ」と名づけ、その非合理な二面性を指摘したのは、ドイツの宗教哲学者、ルドルフ・オットー(1869~1937)だった。オットーによれば、人はその「聖なるもの」の前でまず […]

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三春駒さまへ
(エッセイ・ 2011/11/1 )

私が生まれるずっと前から、凜々しい木馬になっていた三春駒さま、 初めてお便りします。 あなたは関ヶ原で名を挙げ、その誉が見張るの人形となって顕彰されましたが、 じつは愛姫の母上が相馬藩から田村清顕公に嫁がれたとき、 持参 […]

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福島・三春町だより 青々として悲し
(エッセイ・ 2011/8/10 )

 風評とは、根拠の希薄な噂話のようなものだ。普通は「人の噂も七十五日」といって、あまり気にしないよう促すことが多い。どうして七十五日なのかと考えると、たぶん季節が変わるからだろうと思う。要するにそれだけの時間が過ぎれば、 […]

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海と阿弥陀堂
(エッセイ・ 2011/7/1 )

 いわきの豊間や四ツ倉などの海岸は、私にとって海そのもの。子供の頃、驚きながら見つめ、怯えながら入り、そしてザリガニなどを追って楽しく駆け回った海である。  叔父がいわきで学校の先生をしており、そこへ泊まるのが唯一海で遊 […]

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福島・三春町だより 借りる力
(エッセイ・ 2011/5/25 )

 あまりにも多くの人が亡くなり、あまりにも多くの孤独や苦悩が生まれた。  そうして人は、人間や、人間の作ってきたものがいかに脆いものであるかを痛感した。一言でいえば、無常を感じたのである。  圧倒的な映像がテレビで流れた […]

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巨大なきっかけ
(エッセイ・ 2011/5/1 )

 ふとしたことから、人は大きく変化することがある。たとえば誰かの死。これは一番大きい。我々僧侶としては、それだけでなく、年忌の法事なども大きなきっかけになると信じている。竹が節からしか枝を出さないように、新たな枝は新たな […]

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三春町民が安定ヨウ素剤を飲んだワケ
(エッセイ・ 2011/4/9 )

 三月十一日午後二時四十六分に起こった大地震は、その後の甚大な津波災害を伴い、また福島第一原子力発電所の危機によって、さながら地獄図のような様相を呈してきている。  私の住む福島県三春町も当該原発から約四十五キロ西にあり […]

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国は「誠」を示すべきだ
(エッセイ・ 2011/3/25 )

不可欠なのは市民の被曝を抑えること 原発という「龍」を所有する資格はない  今日、三月二十三日現在、私はなんとか無事である。福聚寺というお寺にいて、微力ながら被災者の支えになれないかと避難所を巡ったりしている。しかしこの […]

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花散らぬ、嵐
(エッセイ・ 2010/4/11 )

 四月二日、東京五反田のIMAGICAという映像・音響施設で、映画「アブラクサスの祭」の初号試写会があった。以前そこには、自著の朗読のために行ったことがある。しかし今回は桜が満開だったせいか、少々迷いながら辿り着いた。 […]

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まもなくクランク・アップ
(エッセイ・ 2009/11/29 )

 映画の撮影開始のことを、手回しカメラ時代のハンドル(Crank)にあやかってクランク・インと呼ぶ。今や手回しではなく、記録用のビデオさえデジタルだが、ともあれ映画『アブラクサスの祭』の撮影が始まっている。 それに先だち […]

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三春の桜
(エッセイ・ 2007/3/7 )

 三春町には、いったい桜が何本あるのだろう。  一億円のふるさと創生資金のうち、八千万が桜の植栽に使われた。その時点で本数は吉野を超え、日本一になったのだとも聞いた。むろんそれ以前から紅枝垂れは数多く、四百数十年まえの殿 […]

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無鉄砲と、鉄砲
(エッセイ・ 2006/9/17 )

 この夏、二人の青年がお寺に別々に訪ねてきた。一人は滋賀県から、もう一人は埼玉県からだ。なぜ二人を一緒に語るのかというと、二人とも自転車でやってきたのが新鮮だったからだ。  埼玉県の十九歳の青年は、じつは去年一度訪ねてき […]

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