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エッセイ


天真を養う 第6回 竹林の風

(2021/11/01 墨 2021年11・12月号(273号)(芸術新聞社)掲載)

沢庵宗彭「竹画讃」 福聚寺蔵  西洋の人々が東洋に憧れるとき、そこに意外なほど竹という植物が介在していることに気づく。茶筅や竹刀(しない)、筆や弓矢にも竹は欠かせないが、むろん竹林という環境もインドには竹林精舎を生みだし […]

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日曜論壇 第101回 形見としての自然

(2021/10/10 福島民報掲載)

 お通夜の儀式後、私はたいてい柩(ひつぎ)の蓋に筆で文字(言葉)を書かせていただく。別に私の発案ではなく、先住職である父がしていたことだし、元々は宗派に関係ない全国的な習慣で、棺文(かんもん)と言われる。  昔ながらの定 […]

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天真を養う 第5回 放心を具えよ

(2021/09/01 墨 2021年9・10月号(272号)(芸術新聞社)掲載)

宮本武蔵「枯木鳴鵙図」出典:和泉市久保惣記念美術館デジタルミュージアム  前回は意識を臍下に集め、身心の安定を図る白隠禅師の「内観の秘法」を紹介した。意識をどこかに集めることは、「求心」と謂い、禅定(あるいは三昧)へ向か […]

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日曜論壇 第100回 それどころじゃない!?

(2021/08/22 福島民報掲載)

 時間やお金や心理的余裕など、「それ」をするための条件が整わず、とても「それ」など行なってはいられない場合、「それどころじゃない」と言う。あるいは突発的な出来事で元来予定していたことができなくなった場合にも「それどころじ […]

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地方議会人2021年8月号 巻頭言 地方自治に思う「なにげない関わり」の再構築

(2021/08/06 地方議会人掲載)

問われる政府の本気度  令和三年二月、政府は「孤独・孤立」担当大臣を任命し、その対策担当室を設けた。こうした部門に専門大臣を置いたのはイギリスに次いで世界で二番目らしいが、初代の坂本哲志大臣は「一億総活躍相」との兼務。政 […]

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日本人像 万葉集に見いだしたい

(2021/06/26 中日新聞掲載)

 昔、狼に育てられた少女がいたという話をご記憶だろうか。インドで発見されたアマラとカマラである。狼養育説の是非はともかく、この話の衝撃は、ヒトはヒトから生まれただけでは人間になれないという認識を促したことだった。二足歩行 […]

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天真を養う 第4回 内観の秘法

(2021/07/01 墨 2021年7・8月号(271号)(芸術新聞社)掲載)

 前回に続き、白隠禅師の独自の教えに学びたい。禅師は八十四歳の天寿を全うしたが、生涯を通して頑健だったわけではない。二十六歳の頃「禅病」に罹り、「名医を探ると云へども百薬寸効なし」という状態に陥った。症状としては「心火逆 […]

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日曜論壇 第99回 経過観察

(2021/06/20 福島民報掲載)

 最近、「経過観察」という医療用語に些(いささ)か思うところがあった。  たとえば脳内の血管をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影すると、腫瘤(しゅりゅう)が二つほどあったとしよう。医師が画像を見ても「悪い顔つきではない」と […]

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特集 災厄と祈り 災厄と心の自由

(2021/07/01 UCカード会員誌『てんとう虫』2021年7+8月号/セゾンカード会員誌 『express』2021年7+8月号掲載)

 ここ十年以上、日本人は久しく忘れていた災厄に集中的に見舞われている気がする。東日本大震災という津波を伴う大地震、噴火、山火事、竜巻、台風や線状降水帶による大雨被害、また海では海水温の上昇と乱獲による海産物枯渇の危機が叫 […]

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病気平癒、修羅克服への祈り

(2021/06/01 うえの 2021年6月号掲載)

 すこし大袈裟かもしれないが、西洋と東洋の人間観の一番の違いは、アイデンティティ(自己同一性)を認めるかどうかではないかと思う。イデアを奉ずる西洋では多面多臂が登場すると必ずや悪者、化物であるのに対し、東洋では阿修羅や千 […]

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へその復興

( 抒情文芸 2021年夏号(179号)掲載)

 子供の頃から、へそはなんとなく大事なものと思ってきた。なにより母親の胎盤とつながり、血管を通して栄養をもらっていた名残だし、腹膜に直接つながってもいる。しかしそんな理屈を知る以前から「雷さまに取られるぞ」などと脅され、 […]

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日曜論壇 第98回 寝耳に処理水

(2021/04/25 福島民報掲載)

 最近、政府が会議を開く以前に結論を決めているケースが目につく。「緊急事態宣言の解除」も専門家に諮ると言いながら、事前に「決定する見通し」と報道される。専門家をコケにしたこのやり方、いや、コケにされても怒らない専門家ばか […]

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