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エッセイ


エッセイ「置き薬をめぐる話」 怪しい薬売り

( 富山の置き薬(下) かまくら春秋社掲載)

 昔、うちのお寺には、不思議な出で立ちの薬売りが定期的に来ていた。子供だった私の記憶だからアテにはならないが、どうもそれは忍者を彷彿させたのである。  むろん、実際の忍者など見たこともない。仲間とブリキで手裏剣を作り、黒 […]

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ポストコロナへの展望

(2021/02/25 作業療法ジャーナル(株式会社三輪書店)掲載)

 新型コロナウィルスによる感染が終息しない。書いている今(師走の末)と掲載時での時間差で、どうなるかは分からないものの、そう簡単には終わりそうにない、というのが現在の実感である。  いつかは終わると楽観して「ポストコロナ […]

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日曜論壇 第97回 無常迅速

(2021/02/21 福島民報掲載)

 それは二月十三日、バレンタインデー前日のことだった。私はTVでオリ・パラ組織委員会の森会長辞任劇を眺めつつ、ありがたいチョコなど頂き、それから郡山まで車でお通夜に出かけたのである。  コロナのせいで身内だけ、しかも全員 […]

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天真を養う 第1回 ○△□

(2020/12/28 墨 2021年1・2月号(268号)(芸術新聞社)掲載)

 今回からこの欄をいただき、駄文を綴ることになった。総タイトルは「天真を養う」だが、主に養生や呼吸、禅、瞑想、書道、あるいは日常茶飯事なども話題にしながら、命とのつきあい方を考えてみたい。  この言葉、元々は「虚懐天真を […]

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日曜論壇 第96回 後の祭り

(2020/12/20 福島民報掲載)

 つぶさに調べたわけではないが、クリスマスから新年にかけて実家に戻るという習慣は、世界中にあるのではないだろうか。自分の原点である故郷を確認し、各地での奮闘から離れて休息し、ファミリーとの団欒(だんらん)を楽しむ。中国の […]

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日曜論壇 第95回 ごめんなさい

(2020/10/18 福島民報掲載)

 ソクラテスは対話を重んじたことで知られる。朝食を終えると毎日粗末な衣服のまま街に出かけ、広場や神殿など人の集まる場所で誰彼となく問答を仕掛け、相手に「不知の自覚」を促したとされる。神に比べれば我々の知性など無に等しい。 […]

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特集 くらしに生きる哲学 禅と茶の湯 命の伴侶

(2020/10/01 なごみ(淡交社)掲載)

 お茶と禅の出逢いは、初めは坐禅による睡気(ねむけ)を防ぐためだったとも言われる。今でも煎茶の抗がん作用などが取り沙汰され、その薬効が強調されることもある。ただ、役に立つから「つきあう」というのでは、功利的すぎて長続きす […]

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巻頭エセー 落語と私 私と落語 可笑しな修業

(2020/09/28 東京かわら版掲載)

 以前立川志の輔師匠との対談本『風流らくご問答』(文春文庫)が出たあとに、紀尾井ホールでの舞台にゲストとして招かれたことがある。笑いたくてきている客の前だから、異様に緊張し、僅かな時間のトークだったがお役にも立てなかった […]

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『日本の仏教と十三宗派』巻頭言 観音さまとお地蔵さんの日本仏教

(2020/08/27 日本の仏教と十三宗派(宝島社)掲載)

 ご承知のように、日本にはいろいろな仏教宗派がある。一九三九年に「宗教団体法」が成立したが、それまでに「伝統仏教」と見做されていたのがいわゆる「十三宗五十六派」である。それぞれの特徴や違いについてはこの本の中で学んでいた […]

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日曜論壇 第94回 虻蜂取らず

(2020/08/16 福島民報掲載)

 昔、先輩の和尚さんに言われたことがある。「忙しいのは仕方ないにしても、忙しそうにしてはダメだ」と。僧侶の最大の仕事は人に向き合って安らぎを感じてもらうことだから、という理由だったと思う。  それが長年の指針になるにつれ […]

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お墓と「治山」「治水」

(2020/08/07 「地方議会人」巻頭言 掲載)

 人は誰でも死ねば墓地に埋葬される。法律ではそう規定されるのだが、このところその「墓地」の輪郭が緩んできたのを感じる。海や山や宇宙にまで拡がると同時に、都市部ではロッカー型の仏壇のような施設も黙認されている。  こうした […]

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令和の「治水」へ

(2020/01/14 三春舞鶴通信掲載)

 先日、女房の友人が名古屋から電話をよこし、「そっち(福島県)は日本の災厄を一手に背負ってるみたいだね」と話したらしい。台風十九号による死者が全体で八十人を超え、県内がそのうち二十九人で最多と分かった頃だし、無理もない反 […]

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