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ひとりでに
(エッセイ・ 2014/4/23 )

 日本語では、「自然に」という意味合いで「ひとりでに」と言う。どうしてそう言うのか、以前から気になっていたのだが、『古事記』を読んでいてはっと気づいた。これは明らかに「独神(ひとりがみ)」のせいだ。突然そう思ったのである […]

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石敢當(いしがんとう)
(エッセイ・ 2014/3/1 )

 一月末から二月の初め、日本看護協会の招きを受けて沖縄に出かけてきた。やはり沖縄は別天地、かろうじて零度を上回る福島の気温からすれば、一気に二十度も上昇したことになる。緋寒桜がやや満開をすぎ、菜の花、椿はもちろん、なんと […]

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この辺りの幽霊の問題
(エッセイ・ 2014/2/28 )

 いま、被災地では、「幽霊の問題」があちこちで起こっている。そのことは、今年(二〇一三年)の七月、京都大学のこころの未来研究センター主催で開かれたシンポジウムでもテーマになった。生憎、私は先約があって出席できなかったのだ […]

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日本人の心のかたち
(論評・ 2013/12/15 )

 本書は日本人の心がいわば型崩れを起こしつつある今、そもそも何が本来のかたちだったのかを確認する試みであり、作家と禅僧という二足のわらじをきっちりと履き、福島の寺の住職として原発事故の被災地にしっかりと留(とど)まってい […]

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食材偽装とブランド信仰
(エッセイ・ 2013/12/7 )

 食材偽装があちこちのホテルや飲食店、果てはデパートでも次々と発覚している。まず思うのは、「どうして発覚したか」だが、やはり理不尽に辞めさせられた元従業員のような人々を想像してしまう。リストラへの「恨み」が、告発の背景に […]

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怒りと祈りの光源
(論評・ 2013/9/7 )

 東日本大震災のあと、あまりの惨状に文字通り絶句して、何ひとつ書けなくなった作家や詩人を私は何人も知っている。人類が解決できない放射能が拡散しつづけていて、家と家族と職業を奪われ苦しみ悲しむ被災者がいて、いまだ行方のわか […]

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怒り、無念、祈りはやがて物語へ
(論評・ 2013/8/31 )

 あの混沌と切迫のなかから作家はなにを感じ取り、どう振る舞い、誰に向かってなにを伝えようというのか。  被災地の外にいるわたくしたちも、震災と津波と原発事故の衝撃を身体からきれいに振り切るなんてまだまだ無理だ。振り返るこ […]

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裁判員制度ふたたび
(エッセイ・ 2013/7/31 )

 急に「ふたたび」と言われてもワケがわからないかもしれない。しかし私にとって裁判員制度は、発足当初から反対しており、反対運動にも名を連ねていた。やはり「ふたたび」反対を言わなくてはと思った次第である。  どうして間が抜け […]

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カマキリとウマオイの間
(論評・ 2013/7/7 )

 福島に住まう作家・玄侑宗久が「東日本大震災以後、切実な現実の推移のなかで綴った」(あとがきより)小説集だ。全部で六篇を収める。「あなたの影をひきずりながら」「蟋蟀」「小太郎の義憤」「アメンボ」「拝み虫」そして代表作「光 […]

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いまいちど
(エッセイ・ 2013/4/6 )

 奄美大島の話題、第二弾である。  前回、島の名物である「鶏飯」のことに少しだけ触れたが、これがじつに旨い。しかも、「鶏飯」という名前から勝手に想像したものとはかなり違う代物なので、是非ご紹介したい。  例のファックスを […]

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白隠 厳粛かつポップな禅僧
(エッセイ・ 2012/11/12 )

 白隠慧鶴禅師は貞享二(一六八五)年、駿河の国、原の宿に生まれ、明和五(一七六八)年、八十四歳で遷化(せんげ)した臨済宗の僧である。諡(おくりな)は後桜町天皇から「神機独妙禅師(しんきどくみょうぜんじ)」、明治天皇から「 […]

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偉くなった私たち
(エッセイ・ 2012/10/31 )

 昔から、子どもが生まれる直前の夫の様子は、サマにならないものと決まっていた。痛みも実感もないのに、まもなく自分の境遇にとてつもない変化が起こる。これほど落ち着かない時間が男の人生に他にあるだろうか。  生まれてくるのが […]

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